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【近所でアート体験01】
 川島理一郎と資生堂の深い関係

はじめまして。「読むまち」ブログに参加させていただくことになりました。鶴見裕子と申します。足利の街中で出会えるアートな体験を不定期で紹介していこうと思いますので宜しくお願いいたします。

年末年始は皆様いかがおすごしでしたか?

私は、諸事情でステイホームを余儀なくされていましたので、雑誌をたんまり買い込み、読書しながらのんびり過ごしていました。

お取り寄せでもして気分を上げようと『CREA 贈り物バイブル』パラパラとページをめくっていると、資生堂パーラーの紹介ページで手が止まりました。

「関東大震災で銀座は全焼し、資生堂薬局も全壊。そんな大被害の後、2ヶ月で営業を再開したことは現在も語り草になっている。それも、パリ在住の画家・川島理一郎のデザインで。」と書いてありました。
川島理一郎って足利所縁の人ではありませんか!資生堂とどんな関係性があったのでしょう?それを探るために、足利商工会議所友愛会館ギャラリーカッサで開催中の『川島理一郎  特別展』に出かけてみました。なんと無料です。会場も広くないので子連れでも安心です。(会期は2023年1月28日まで。ただし相田みつを氏の展示と入れ替えで、通年通して観覧できるそうです)


展示会場には川島理一郎の絵画作品とともに、株式会社資生堂の初代社長の福原信三と川島理一郎の関係性についてこのように解説がありました。

・株式会社資生堂の初代社長の福原信三と川島理一郎が米国で出会い、川島の絵を数点購入。その後パリで再会。川島は通訳として福原を助け、20世紀初頭のファッションや演劇、美術など最新の文化へのよき案内人になる。

・福原信三は資生堂に化粧品部、意匠部をつくり薬品から化粧品へ事業を大きく転換させた。そのきっかけがパリでの文化的体験であり、画家たちとの交友であった。

・川島は資生堂の意匠部客員としてフランスに派遣され、絵画の蒐集、最新のファッション情報や商品を資生堂に送った。川島と福原の友情が企業の文化支援の基礎を築き、質の高い商品と洗練された広告宣伝を生み出す原動力となった。

展示を見終わってまず浮かんだ感想は、「川島理一郎の影響力すごすぎ!資生堂のクリエイティビティの礎になっているなんて!」です。

川島理一郎の年表にも目を向けてみると、「1913年に藤田嗣治と共同生活をはじめる」と書いてありました。「え!?あのフジタと!」とまた驚きました。

近所でアート体験。今回は、企業とアーティストの素敵な関係性を知ることができました。

展示の様子
川島理一郎氏

【お店情報】
店名/ギャラリーカッサ
住所/足利市通3丁目2757 足利商工会議所友愛会館内
営業時間/10:00~17:00(閉館)
定休日/不定休

【ライタープロフィール】
鶴見 裕子

出産を機に夫の地元の足利に移住。音楽、舞台、映画、アートなどなど、カルチャー好き。元々勤務していた会社の仕事を、リモートワークで継続中。ライブエンタテインメント領域でマーケティング業務を行っています。

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