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【探検!趣味の街 07】
 楽園にようこそ

そういうわけでライターデビュー1周年の植野です。
1年経って取材に慣れたかというと、そんなことは無く(笑)
相変わらず、しどろもどろで取材活動を続けています。

しどろもどろの取材で、今回お邪魔したのは“おやつや”さん。
昔懐かしの駄菓子屋さんです。
駄菓子屋さんって、いま本当に無いですよね。
僕が子供の頃は毎週日曜日になると、駄菓子屋通いをしたものです。
しかし駄菓子屋さんって、一体いつの間に姿を消してしまったんでしょう?
「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」の気分です。
小学校を卒業したあたりで足が遠のいて、そのまま行かずにいたら無くなっていた
という感じなんですよ。
「そこにある」と思っていたものが無くなってしまうのは、やはり寂しいものです。
そんなセンチな思いを抱いていたところ“おやつや”さんの話を聞きつけて、
お邪魔しました。

可愛らしいクマが営業時間を教えてくれます

こちらの“おやつや”さんは、僕のイメージする駄菓子屋さんより、ずっと明るくて
清潔感のあるお店です。
僕のイメージする駄菓子屋さんといえば、路地裏にある古い民家の軒先みたいな
ところなので。
店内に入ってみると、ずらっと並んだ駄菓子たち!
懐かしい!!

駄菓子の並ぶ店内!まさしく楽園!
店内:別アングル。所狭しと並ぶ駄菓子たち

最近ではコンビニでも駄菓子は買えるわけですが、違うそうじゃないと。
駄菓子は駄菓子屋さんで買うから良いんですよ。
コンビニで買ったら、ただの安いお菓子です。
そうじゃなくて、駄菓子屋さんで買う、という行為を含めて駄菓子なんです。
限られた予算内で、いかに上手に買うか、と悩む行為を含めて駄菓子。
ただ買うだけじゃなく、どこで買うか、その体験もひっくるめての駄菓子であり、
駄菓子屋さん。

ツボを押さえたラインナップ!
ペットボトルが置いてあるのは最近のお店です

お店に足を踏み入れて最初に感じたのは「宝の山」。
映画で言うと『グーニーズ』のクライマックスの気分です。
こういう時に思い出してしまうのは、やはり『インディ・ジョーンズ』じゃなく、
『グーニーズ』なんですよね。
子供が大冒険の果てに!というのが、しっくりくる。
あえて言おう、駄菓子の楽園であると。
懐かしさやら、ワクワク感やら、言葉では言い表せない、いろんな感情が
押し寄せてきます。
これはぜひ読者の皆さんにも体験して確かめていただきたい!

記者の愛する駄菓子 その1“にんじん”
“にんじん”と言えば鑁阿寺(笑)
記者の愛する駄菓子 その2“ヨーグル”
まさにキング・オブ駄菓子!

そして値段を見て、驚愕するやら、感動するやら。
消費税分は加わっていますが、僕が子供の頃見ていた値段のまま。
不思議なものでミニ四駆の時は、0が1つ減っているくらいの錯覚に陥ったんですけど、
駄菓子の金銭感覚はそのままなんですよね。
でもまぁ、考えてもみれば駄菓子屋で10円20円で頭を捻っていた子供にとって、
ミニ四駆の300円は大金ですよ。
500円玉なんて持っているだけで、お金持ちの気分でしたもの。
今の自分の感覚で言い表すなら、有名な風刺画の成金のくらいの気分です。
そこへ行くと大人の僕は、アラブの石油王くらいの大富豪(笑)
でも商品を眺めては「どうしよう、うーん・・・」と思ってしまう。
それなのに気づくとカゴの中はいっぱいに。
文字通りの大人買い。
もはや爆買いと言っても差し支えないレベルです。
このカゴの中身を見よ!

大人買いのある風景

子供の頃の夢が詰まっていますよ。
思う存分、童心を慰めることができました。
大人になるって良いものだ。

そして駄菓子屋といえば忘れちゃいけないくじも、もちろんあります。
駄菓子屋さんのくじって、なんとも言えないそそるものがあるんですよね。
僕が子供の頃通い詰めていたお店にも、くじがあったんですよ。
毎度ワクワクしながら引くものの、当たるものといえばガッカリする物ばかり。
その当時から見ると、このくじの充実ぶり、良い時代になったものです。

最近のくじは、やたら豪華!


僕も子供の時分であれば、間違いなく引いていたことでしょう。
それも1度と言わず、2度3度と。
さすがに不惑も過ぎたおっさんがやると、くじを引く前に周りの人に
引かれてしまいます。
大人になるというのは良いことばかりではないようです。

では、そろそろお会計へ進みましょう。
アラブの石油王のようだと書いたもののレジを待つ間、やはり緊張してしまいます。
なにしろ小心者なので。
カゴいっぱいに入っていると「一体いくらになってしまうんだろう」と
ハラハラしちゃうんですよね。
さてお会計が終わって、出てきた金額は・・・。
¥612なり!安い!!

とは言っても、それはあくまで大人の感覚。
子供の頃なら、目を回して卒倒確実です。

大人も子供も楽しめるとは、手垢のついた表現ですが“おやつや”さんは
大人も子供も楽しめます。
でも僕は大人の方にこそ、おすすめしたい!
ノスタルジックな気分に浸るも良し、見知らぬ駄菓子に胸をときめかすも良し。
子供たちにも駄菓子屋は駄菓子屋さんで買うものという体験をしてほしいと思います。
押し付けがましいかもしれませんが、いろんな体験をするのって大切だと思うんですよ。
今だと親世代が経験したことを、子供が経験する機会ってない気がするので。
ぜひ駄菓子の楽園に足を運ばれてみては?

※現在の店舗での営業は5/7(日)までだそうです。
 5/19(金)からは新店舗で営業されるそうです。
 詳しくはお店情報をご覧ください。

【お店情報】
 店名/おやつや
 住所/現店舗:栃木県足利市朝倉町452-1 アネックス101(〜5/7)
    新店舗:栃木県足利市朝倉町3丁目4−10(5/19~)
 電話/0284-82-9101
 営業時間/10:00 〜 19:00
 定休日/月・火曜日

【ライタープロフィール】
 植野 弘武 (うえの ひろむ)
 イズミヤ映画部「部長」/まちを紹介し隊「隊員」/“足利の”ミニ四ファイター
 映画/音楽/美術鑑賞、ミニ四駆、読書、園芸等、多様な趣味を持つ。
 美味い料理と、美酒が好き。
 無闇に豊富な知識で重箱の隅を突いて回っている。
 生まれてこの方、初見で名前をちゃんと読まれたことがないのが悩み。
 座右の銘は「人は流れに乗ればいい。だから流れに乗ってみる」。

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