【探検!趣味の街 17】指先からSODA

そういうわけで“元”読書家、植野です。
以前は、ひと月でそれなりの数、読めていたんですけどね。
最近は集中力がもたずに、星新一さえ読み終わらなくて難儀しています。
そんなわけで“元”読書家を名乗ってみました。
■なにしろ本好きなもので
さて、読者の皆さんは本はお好きですか?
僕は読めていないけど、本が好きです。
おかげで積ん読が増える一方。
それでも本屋へは行ってしまうのです。
ちなみに今回のタイトルは本好きの証として山崎ナオコーラのエッセイ集『指先からソーダ』からとりました。
今回はそんな僕の推しの本屋さんを、ご紹介します。
■本屋を追ってどこまでも
その本屋さんは【本屋 SODA】さん(以下:SODAさん)。
昨年の10月にオープンしたばかりの新しい本屋さんです。
新しい本屋なんてあったけ?と思われた方は、半分正しい。
SODAさんは、無店舗・移動式のお店なので、常に開いてはないのです。
逆に言えば看板があれば、そこがお店。
今まで公園やレンタルスペースとして活用されている古い蔵、マルシェの会場など、色々な場所に出店されています。
僕は追っかけとして出店場所へ行くわけですが、どこへ行く時も楽しい。
「今日は、どんなラインナップなんだろう」と、毎回ワクワクしながら向かっています。
■あえて決めない。その理由
本屋へは「これを買おう」って、決めていく方が大半ですよね。
もちろん、僕もそう。
ただSODAさんへ行く時は、あえて決めません。
決めるのは予算と冊数だけ。
普通の本屋では品揃えが変わることって、そうはないと思うんですよ。
でもSODAさんは、言うなれば本のセレクトショップ。
出店ごとに品揃えが変わるのです。


だから僕も、あえて買い物の上限を決めていて。
いつも魅力的な本ばかりなので決めとかないと、つい欲しくなっちゃう。
結果、積ん読本が増えていくというループ。
欲しくなってしまう理由はそれだけじゃなく、店主さん自ら本を勧めてくれるんですよ。
■なにをするんだ【本屋 SODA】
店主さんは僕の好みを知っているから「植野さんには、これ!」って、ツボを押されてしまう。
そんなことされたら積ん読が増えちゃう!
毎回こんなことばかり言ってるけど、あくまで事実。

勧めていただく本は、どれもキャッチーなタイトルで、内容が面白い。
目次や前書きだけで「これは!」って思ってしまうのです。

■パーティの終わり、祭のあと
例えば先日お薦めしていただいた本がこちら。
『パーティーが終わって、中年が始まる』(著:Pha)

このタイトル、なにか卑怯な気さえしてきます。
ずるいよ、青年期の終わりをパーティーに例えるなんて。
まさかこんなに胸に刺さるタイトルの本が、この世の中にあるとは。
前書きの“車に轢かれそうになった時、若い子に「あぶない、おじさん!」と言われて、自分がおじさんだと気づいた”が染みました。
このエピソードに、全おじが泣いた。
■覚悟はいいか?オレはできてる
同じ日に頂いたのが、こちら!
『読まれる覚悟』(著:桜庭 一樹)

1月の出店の時にSNSで「持っていきます」と紹介されていて「これだ!」と。
初めて決め打ちで買いに行きました。
僕もライターを名乗っている手前「書く」事に重心を置きがちなんです。
読者を意識してはいけるけど、そこに「覚悟」があるか?と問われると、正直微妙。
作者は小説家だけど、「書く」「読まれる」という行為は同じだから、僕に必要と思って。
■積ん読、憑き物落とし
実はどちらもまだ積ん読で、詳しい書評は書けないんです。
ただ僕の好きな京極夏彦が、読書家にとってちょっと後ろめたい「積ん読」について、
「本は、買うだけでいい。読もうが読むまいが、いいと思った本を手元に置いておくだけで人生は豊かになる」
と言っていたそうなので、それを信じてまた“積み”ます。
■めぐりあい、鉄
そしてSODAさんでは新刊だけでなく、古本も扱っているんですよ。
僕が頂いた中で、ご紹介したいのがこの1冊。
『東海道新幹線開業50周年公式写真集:1964→2014』

好きなんですよ、新幹線。
何を隠そう、僕は前回ご紹介したFM DOMONOさんの鉄道番組『深夜急行E883』に、時々ゲストで呼んでもらっているのです。
ある時、番組収録の前に立ち寄ったところ、この本を見つけて。
テンションがあがって買っちゃいました。
こんな本との一期一会があるのが素敵。
■それもできちゃうの!
さらに特筆すべきことに、SODAさんはドリンクを飲みながら本が選べちゃうんです。
なぜならSODAさんでは、ドリンクを提供されているから。
最近ではカフェと併設の本屋さんも見かけるけど、そんなに多くないですからね。
飲みながら、おしゃべりしつつ、本を選ぶことができるのです。
自分の気になった本を眺めたり、お勧めされた本にワクワクしたり。
これって本好きには、たまらない体験です!

出店場所によっては、なんとお酒があることも!
本+お酒。
こんなに嬉しいことはない。
その体験そのものが至福。
他では味わえない、替えのきかない時間です。
■運命、探しに行きませんか
先にも書いたとおり【本屋 SODA】さんは無店舗・移動式なので、出店場所や日取りについてはInstagramでご確認ください。
本好きなら、足を運んで間違いなし!
次のオープン日、ぜひチェックしてみてください。
運命の1冊との出会い、あるかもしれませんよ!
【お店情報】
店名/本屋 SODA
Instagram/soda_bookstore
《出店場所・営業時間はInstagramで、ご確認ください》
【ライタープロフィール】 植野 弘武 (うえの ひろむ)
イズミヤ映画部「部長」/まちを紹介し隊「隊員」/“足利の”ミニ四ファイター
映画/音楽/美術鑑賞、ミニ四駆、読書、園芸等多様な趣味を持つ。
美味い料理と、美酒が好き。
無闇に豊富な知識で重箱の隅を突いて回っている。
生まれてこの方、初見で名前をちゃんと読まれたことがないのが悩み。
座右の銘は「人は流れに乗ればいい。だから流れに乗ってみる」。