喫茶店マスターの足利偏愛日記vol.5
私の住む街、足利市には愛してやまない場所がある。
足利の市街地から北の方へ。
名草地区方面へ向かっていくと住宅街の中にある蔵風のお店、
『手打ちそば 八蔵(はちぞう)』
にたどり着く。
・・・そう、ここは筆者である私の両親の店である。

築46年の瓦屋根と白壁の蔵風の建物が趣を感じさせてくれる。

1980年創業。創業46年になる手打ち蕎麦屋だ。
私が生まれる前から両親が営んでいるお店。
私が物心つく頃から、天ぷらやヒレカツを揚げる油の匂い、蕎麦をうつ音、ゆで釜の熱や湯気、
お客様と会話する声や、厨房内の会話など、五感で賑やかさを感じられるお店だった。
今回は、全てを知り尽くしている“息子”がお薦めする八蔵をご紹介できればと思う。
先に書いておくと、そばの紹介はありません。笑 そばの話を聞きたい方は、八蔵に行こう。
まずは、手打ち蕎麦屋の“手打ちうどん”。
まず、なぜうどんかという点だが、お店のある地域では昔からうどんの方が馴染みがり、子供から老人まで幅広く愛されていたそう。
だからなのか、親父はうどんも妥協せず手打ちしている。
程よいコシとツルツルとしたうどんの喉ごし、噛めば感じられる小麦の香りともちもちとした食感のうどん。
個人的には“ざるうどん”が好きだ。

上記の味わいに海苔の風味がプラスされ、いくらでも食べられる。
ツルツルと一気に食してほしい。
次は、手打ち蕎麦屋の“カツ煮”をご紹介。

そもそも、八蔵ではカツ丼も人気メニューの一つ。
私の友人の中には、八蔵ではカツ丼しか食わないやつがいるほどだ。
八蔵のカツ丼はヒレを使ったヒレカツのみを使う。ロースカツに比べ、脂っぽさもなく、食べやすい。
カツ丼が人気の八蔵の“カツ煮”とは、いわばめちゃくちゃ美味いカツ丼の具部分だけを、ビールのつまみや、おかずにできてしまう秀逸な逸品ということになる。
揚げたヒレカツを、かえしと言われるタレで玉ねぎと煮込み、卵でとじたのがカツ煮。
丼と違い、かえしを米が吸わないので、ヒタヒタにかえしで煮込まれたカツがなんとも言えぬ美味さに。
しかもカツ煮定食にすれば、白米とお漬物、煮物、もり蕎麦がついてくる。ボリュームが半端ない。


かえしを吸った卵や玉ねぎ、カツの衣と、ヒレ肉のなんとも言えない食感が、白米を口に運ぶ手を爆速で進める。
この美味さは、カツ丼好きはもちろんのこと、ガッツリ食べたい方にはぜひ試していただきたい。
そして最後におすすめしたいのは、女将との“おしゃべり”。

女将というか私にとっては母だが、尊敬できるほど接客スキルが高い。
しかも意識せずナチュラルに接客している。そういう一面を見て育ってきたからか、自分も女将のような親しみやすい接客を心がけるようになった。
ただ女将の良い点でもあり欠点になりうる部分は『楽しくなりすぎて喋りすぎちゃう』ところだ。
・・・チャーミング。
家族間では「歩くラジオ」と揶揄されるほどよく喋る。
忙しい時や短時間で店を出たい時に捕まったら諦めて交流してやってほしい。
創業46年になった手打ちそば八蔵。
おしゃべりでチャーミングな元気玉女将と、職人気質で蕎麦を愛してやまない店主の二人が営むお店。
実家に帰ってきたかのような居心地の良さを感じられると思う。私にとっては実家だが・・・。
紹介していない他のメニューも父のこだわりと母の愛情が詰まったものばかり。
ぜひ行ってみて。
ナイス棍棒。
【お店情報】
店名/手打ちそば 八蔵
住所/栃木県足利市利保町1−46−8
電話/0284-44-1183
営業時間/日月火 11:30〜14:00昼のみ営業
木金土 11:30〜14:00
17:30~19:30
※要予約
定休日/毎週水曜日
【ライタープロフィール】

喫茶八蔵 店主 梁川健人
40歳 2児の父
棍棒、コーヒー、ビール、映画、町中華大好き
足利ミッドタウン商店会 イベント担当
足利棍棒ギルド ギルド長