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【喫茶店マスターの足利偏愛日記 VOL.3】

私の住む街、足利市には愛してやまない“店”がある。
そのお店は北郷公民館すぐ近くにある子供のオアシスこと“小林商店”だ。

「こばやし」との愛称で呼ばれ地域に愛されているザ・まちの駄菓子屋だ。
この「こばやし」は北郷地区では知らない人はいないほどの名店で、お店の外観もどこか懐かしく可愛らしい外観だ。

(赤いベンチは昔から使用しているもの)  
(手作りのこの看板がいい感じ)

開業のきっかけはとおばちゃんに聞いたところ「子供が3人もいたので、家で何かできることをと始めたのがきっかけで、それが昭和54年だね」とおばちゃん。
かれこれ今年で創業45年になるそうだ。

昔はパンなども売っていたが、時代と共に現在の駄菓子屋さんスタイルになったそう。
いつも笑顔が素敵なおばちゃんと、時たま奥から出てくる優しいおじちゃんの二人で切り盛りをしている。

(昔から変わらないお二人。左:小林 敏枝さん 右:小林 俊一さん)

私は実家が自営業だったこともあり、友達や兄弟と100円を握りしめよく行っていた思い出深き場所だ。
大好きだったのは、“ヤッター!めん”と“きなこ棒”。

(ヤッター!めん 当たりは蓋が金券に)
(きな粉棒 当たりでした)

今では娘が好んでその駄菓子を買っている。遺伝って恐ろしい。。。

当時私は、小学生ながらに100円のお小遣いでどれだけ食えるかを考えた末、当たり付き駄菓子で当たりを出し、100円分以上のおやつを手に入れるというやり方を自然と導き出していた。
当たり付きおやつを買えば、100円分は確実に食べられ、運が良ければそれ以上のおやつを食べられる。

ノーリスクハイリターン。(子供にとっては10円が当たるだけでハイリターンだ)
正直、ほとんどの子供はこの考えで駄菓子を買っているはず。

最近、駄菓子屋に行くと思うことがある。
駄菓子屋では子供たちが“限られた予算の中でどのようしたら得を得られるか?”を自然に学ぶことができるのではないか?また、予算が限られているため、おばちゃんに助けてもらいながら計算し購入するので算数の勉強にもなる。なんならおばちゃんやおじちゃんという、家族以外の大人との交流もすることができる。

(ビールのお供、一口サラミ)
(小学男子にとって無性にそそられる魅惑のスーパーボールくじ)

なんて駄菓子屋って素晴らしいのだろう。
そもそも駄菓子屋は街の機能として、とても大切なのではないだろうか?

スーパーやコンビニでも駄菓子は買えるが、“駄菓子屋に行く”というなんか宝物を探しに行くようなワクワク感や、お金の計算などの様々な経験は「こばやし」のような“まちの駄菓子屋”でしか得られないのではないだろうか。

少子高齢化により、まちの駄菓子屋はどんどん減っている。
減っている今だからこそ、まちの駄菓子屋に足を運び、ただ駄菓子を買うだけではなく、駄菓子屋という場所を通じて様々な体験を子供達にさせてみてはどうだろうか?
きっと、良き思い出と共に良き経験を積むことができるだろう。

駄菓子屋is Forever.

「こばやし」のような、まちの駄菓子屋さんには今後も残っていってほしいと切に願う。

なんか書いていたらきなこ棒が食べたくなってきたな。
こばやし行って買ってこよ。

【お店情報】

店名/小林商店
*駐車場はなし。みんな北郷公民館にとめてるよ。
住所/栃木県足利市利保町2−18−2

営業時間/平日13:00~18:30
     土祝 10:00~18:30
定休日/毎週日曜日


【ライタープロフィール】
喫茶八蔵 店主 梁川健人
38歳 2児の父
楽しいこと、コーヒー、ビール、映画、町中華大好き、街の駄菓子屋ファン
足利ミッドタウン商店会 イベント担当

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