【濃いキャラ図鑑02】「なほみ」という店。
濃いキャラ図鑑とは、このまちに存在するキャラの濃い人や店を紹介する記事である。
第2回目の濃いキャラ図鑑は、足利・北仲通りの路地裏にひっそりと佇む店「呑処 なほみ」。
濃いキャラ図鑑を作っていく上で、なほみのママは避けて通ることはできない。
早速潜入ルポを書いていきたい。
まず、表の看板。
店名といいスナック臭がぷんぷんするが、小料理居酒屋だ。
店の前を通るとお客さんの声だろうか、いつも楽しそうな笑い声が店の外に漏れている。
正直、一見さんにはちょっと入りにくいかもしれない。
足利のまちには、このように一見さんに入りにくい店がたくさんあるように思う。
けれど筆者の経験上、そういうお店に限って、一度入ってしまうとハマって出てこられなくなる。
底なし沼でも迷宮という意味でもなく、そういう店は実はすごく居心地がいいのだ。
呑処なほみも例外ではない。
店内はマンボー中だったので、いつもより客足はまばらではあったが、カウンターにはいつものように、常連さんがお酒を楽しんでいた。
(ちなみに家電量販店かと思うくらい、空気清浄機や換気を促す装置が設置されていて、空気清浄機のせいで客が座れないんじゃないか、というほどに換気には気をつけている安心のお店だ。)
さてそんな呑処なほみ。カウンターと小上がりのテーブル席がある、ちょうど良い広さのお店だ。
店主であるママさんは、いつも酔っ払ってるんじゃないのか、というテンションで客と対峙している。
結構気持ち良くなっている常連客相手に、同等のテンションでトークしているからすごい。
一応、今回の取材の申し入れをする。二つ返事でOKもらえると思っていた。
「取材はいいけど、顔出しNGで!」
えっ?うそ?
まさかの顔出しNG。濃いキャラ図鑑なのに。
では仕方ないので、するつもりがなかった料理でも紹介しよう。
まず一杯目は生ビール。カーッと喉に入れてクゥゥウウ!だ。
一気に2杯を飲み干して、それからボトルキープしているウィスキー。
ボトルキープって、ちょっと大人な感じする。
で、作ってくれる水割りが濃いの濃いの。
グラスに半分くらいウイスキーいれたよね?
おっと失礼。料理の紹介ができてませんね。
料理はこんな感じで、全部おいしかった。(雑)
ところで、なほみさんは誰かと行くのはもちろん、1人でふらっと行くのもおすすめだ。
1人で行っても、常連さんとの話が盛り上がること必至だからだ。
カウンター越しにママと話をしていると、隣に座ったお客さんも話に食いついてくれたりする。
今回、たまたまカウンターに居合わせた常連さん。
初対面であったが、聞くとお住まいが筆者と同じ町内。同じ小中学校出身者だった。しかも4学年しか違わず。
「かぶってるじゃん!」
というわけで、思い出話に花が咲いた。
ちなみに、筆者の卒業した小学校は現在廃校になって存在しない。
その小学校時代の話を共有できたことが嬉しかった。放課後行った駄菓子屋の話とか、どこの公園で遊んでいたかとか。おまけに中学校時代の話も。
当時なら、4学年上だとかなり上の先輩だが、三十路も過ぎたオジサン同士なら、フラットな感じで話せるから不思議だ。
話に夢中になり、気づけば良い時間になっていた。
筆者は、このアットホームに客を包んでくれる、お店の雰囲気が好きだ。
その雰囲気を作ってくれているのは、他でもないママさんである。
筆者は、呑処なほみの開店の頃から(めちゃくちゃ老舗感があるが、開店はここ4,5年の話)ちょこちょこと伺っているが、
行くとママさんが「あらツルミくん!ひさしぶり〜」なんて、受け入れてくれる。
こういう、顔の分かる間柄って素敵じゃないか。
チェーンの店ではそういうコミュニケーションはないだろうけど、こういう個人のお店だとこういうやり取りがあったりするのが良い。
最近、若手のスタッフさんが増えて、店により活気が出たような気がした。
若い世代の人たちにも是非行ってほしいお店である。
ディープな世界に、惹き込まれること間違いない。
残念ながらこの拙い文章では、なほみママはおろか、お店についてをほとんど伝えられていない。
ぜひ、その目でキャラの濃さを確かめてもらいたい。
〈おわり〉
【お店情報】
店名/呑処 なほみ
住所/栃木県足利市巴町2537-4
営業時間/18:00〜24:00(コロナ禍により営業時間が異なる場合があります)
定休日/月曜
説明/北仲通りの路地裏にひっそり佇む、小料理居酒屋。ノリの良いママさんと美味しい料理に出会える。
【ライタープロフィール】
鶴見 裕也
足利で活動するデザイナー。表向きはブランディングデザインを行っているクリエイター。実は面白いこと、くだらないことが大好物。趣味はテニス。お酒大好き。足利市内を徘徊している。