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【探検!趣味の街 01】
 きんこん館で遊ぼう

きんこん館外観

そういうわけで足利ミッドタウン【まちを紹介し隊】の新人隊員にして、新米記者・植野です。
はじめましての方は、よろしくお願いします。
知ってる方は、今後ともヨロシク。

簡単に自己紹介しておくと“イズミヤ映画部”というサークルの主宰をしています。
活動自体に和泉屋さんはノータッチなので、完全に名義借りです(笑)
個人的に僕と和泉屋 社長が友達であるという以上の繋がりはありません。
さらにいうと北仲どころか、足利市内にお店を構えているわけではありません。
そもそも自営業でさえありません!
・・・なんですが、縁あって足利ミッドタウンのブログ記者として、
声をかけていただいたので、二つ返事で飛びついたような次第です。
“足利は地下1メートルが面白い!”をテーマに僕個人の趣味を切り口として
独自の視点で、内容は濃く、文章はゆる~く、この街の魅力を発信していきます。
以後お見知りおきを。

さて読者の皆さんは“きんこん館”を、ご存じでしょうか?
通1丁目にある老舗のおもちゃ屋さんです。
遡ること30有余年前、僕は休みの日となれば足繁く、この“きんこん館”に通ったものです。
当時は、今の“けやき小”前にY模型という模型専門店があって、
休みの日にはY模型と“きんこん館”に行くのが、僕のルーティンでした。
僕は一度、足利から離れた出戻り組なんですが、帰ってきた当時、
いまだ健在であった“きんこん館”に感動すら覚えたものです。
アイキャッチの画像が、現在の“きんこん館”。

そんな“きんこん館”に、不惑もとうに過ぎた僕が再び足繁く通っています。
理由はミニ四駆のコースがあるから。
去年、八蔵店主に誘われてミニ四駆に復帰したんですが、やる前は「子供の遊びじゃないか」と、
お高くとまっていたんですが、その僕が最もハマっている(笑)
もう童心を慰めることに必死で、人からは「子供のような顔をしている」と言われる始末。
ついには八蔵店主から“ミニ四駆博士”の称号を授けられるまでになりました。
そのうちに“北仲ミニ四ファイター”とか自称しだすかもしれません。。
この名前、どのくらいの世代まで通用するんだろうか?
第1次ブーム世代だけにでも届け、この想い。

子供の頃はミニ四駆をコースで走らせるなど、タミヤの公式大会に参加するくらいしか
手立てがなくて、夢のまた夢だったんですよ。
家にコースがあるなどというのは、もうその時点でヒーロー確定。
その子供の頃届かなかった夢を、ミニ四駆おじさんになった今、埋め合わせしているわけです。
近所にミニ四駆のコースがあるなんて、良い時代になったものだ。

このミニ四駆のコース、2階に設置されているんですけど、何を隠そう僕は、
“きんこん館”の2階に上がる階段に足をかけるたび軽い緊張感に包まれます。
子供の頃の“きんこん館”の2階といえば、ただならぬアダルトな雰囲気の漂う、
悪い言い方をすれば、まさに魔境。
小学生のうちって1学年違うと、身体の大きさも全然違うし、意識も全然違うじゃないですか。
それだけに上級生って無条件に怖い存在だったんですよ。

そんな上級生が、たむろしている場所というのが、子供の頃の僕の“きんこん館”の2階のイメージ。
実際、僕が足を踏み入れることができたのは小学4年生くらいの時分であったように思います。
お恥ずかしい話ですが、その時の緊張感を、いまだに拭えずにいるんです。

しかし僕も不惑も過ぎた、いい歳のおっさん。
端から見ればミニ四駆おじさんです。
ミニ四駆に目覚めた心が走り出した僕は、押し寄せた緊張感を振り払って進みます。
階段を上った先に、居並ぶアーケードゲームの筐体を幻視しつつ、
見えてくるのはミニ四駆のコース、否、サーキット!
街のおもちゃ屋と思って侮る無かれ、なかなかどうして難コースなのです。
いやいや、マジで。

サーキット全景・鳥瞰
一見するとストレート多めで難しくなさそう。右上に写り込んでいる記者はご愛敬(笑)
サーキット全景・平面
写り込んでいた記者の撮った写真。やはり長いストレートが目を引く

一見するとなんてことなさそうな、このサーキット。
実はスピードが出すぎるという、魔物が潜んでいるんです。
ミニ四駆を触ったことある人なら誰しも経験のあることだと思いますが、
どうしても速くしたくなるんですよ、ミニ四駆。
ところが“スピードが出すぎる→コーナーで弾かれる”という現象がおこる。
特に下の写真のようなところで。

鬼門のレーンチェンジ
記者の鬼門・レーンチェンジ

このところ毎回泣かされているのが、上の写真のレーンチェンジ(通称:LC)。
いろいろなところでレーンチェンジは難所、という話を目にしてはいたんですけど、
その意味を、ここで初めて知りました。
毎回カタパルト射出されるが如く、愛車が上り坂からコース外へ、
そのままかっ飛んでいきます(笑)
子供の頃なら返り討ちにあって、素直におとなしく帰るのでしょうけど、
経験と知識に裏打ちされた大人に潔く帰る選択肢など無い。
コースに跳ね飛ばされるたび、愛車をあーでもないこーでもないと往生際悪くいじくり回して、
結局ドツボって帰るという恥ずかしい醜態を、毎度さらしています。
家で悶々と試行錯誤した挙げ句「見えたぞ!水の一滴!!」と思った策を
無残に跳ね返された時の絶望感といったらもう。
さらにライバルに負けるという事態に陥ろうものなら「僕はあの人に勝ちたい」と、
独りごちたくもなるものです。

あーでもない、こーでもない(笑)
愛車をイジるおじさん2
試行錯誤するミニ四駆おじさん
引きずられて愛車をイジる
取材に同行してもらった鶴見記者も愛車をイジりだす!

頭から煙が出そうなくらい考えても、どうにもならないときは一旦手を止めて、
1階に降りてみましょう。
根を詰めすぎると、思考の迷路に囚われちゃいますから。
現場を離れて、深呼吸してみれば見える景色も違うはずです。
ドラマチックなひらめきは生まれないかもしれないけど、何事にも息抜きは必要です。
さて、1階に降りてきたら目に映るのは、充実したパーツの数々。
『ダッシュ!四駆郎』ど真ん中の第1次ブーム世代としては、
あの頃では考えられないようなパーツの数に目もくらみます。

1階には充実のパーツ類

やはり第1次ブーム世代としては、スポンジタイヤに、ワンウェイホイール、
ハイパーミニモーターと、いまでも呪文のように唱えられるパーツがあるわけですが、
いまやそれらのパーツも現役から退いているというから時代の流れを感じます。
考えてもみれば小学生から中年になるまでの時間が空いてるわけですから、当然と言えば当然。
ちなみに同行してもらった鶴見記者は、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の第2次ブーム世代。
すでに第1次と第2次ブームの世代間ギャップを感じます(笑)

取材そっちのけで、パーツを吟味

なにしろこれだけの数のパーツに、これまた第1次ブームの頃からはるかに数が増えた
シャーシを組み合わせて、さらにコースに合わせた最適解を求めるとなると、途方もない作業です。
「子供の遊び」などと甘く見ていた自分を反省します。
もはや世界最小のモータースポーツであるといっても過言ではありません。
それにここだけの話、子供の頃ほどパーツに対する出費が痛くありません(笑)
子供の頃の憧れのパーツも、あのマシンも、あっさりと手に入れることが出来ちゃうのも、
大人ミニ四駆の良いところ!
ちなみに僕は子供の頃の憧れ“アバンテ”を真っ先に手に入れました。

サーキットとミニ四駆おじさん
取材に名を借りて趣味を楽しむミニ四駆おじさん。マスクの下は子供の表情

このコロナ禍の折、こんなことを言うのは少々躊躇われるのですが、あえて言いたい。
「街に出てミニ四駆やろう」。
子供の遊びじゃないか、と思う方にこそ勧めたい!
特に『ダッシュ!四駆郎』世代の皆さん!!
あの頃見えなかった景色が、今なら見えますよ。
そして一緒に“きんこん館”のコースで歯がみしましょう(笑)
ようやく攻略法を見いだした思った頃に、組変わってしまうサーキットに共に涙しましょう!

もし“きんこん館”のコースで、大人げなく血相を変えてミニ四駆を
イジってるおっさんを見かけたら、それは僕です。
どうかその時は一歩踏み出して、声をかけてみてください。
合言葉は「俺より速い奴に会いに行く」。
きっと子供のような純粋なキラキラした目で、お答えすると約束します。

今のミニ四駆は昔とは比べものにならない速さ!

もし、この街に面白いものが見つからないと思っているなら、
まずは“きんこん館”の扉をくぐってみることをオススメします。
そこに表面だけではわからない面白い足利への入り口の1つがあります!
あの頃に戻るも良し、お子さんがいるならコミュニケーションの場にするも良し。
子供の頃、自分が行ったお店に子供と行けるっていうのも、素敵な体験だと思いますよ。
血相を変えてミニ四駆をいじくり回しているおっさんを「ああなってはいけない」と
反面教師にするのも、また一興。
まずは 次のお休みにでも、あなたの愛車を探しに出かけてみませんか。

記者の愛車たち。
左から鶴見号(サイクロンマグナム)・植野1号車(エアロアバンテ)・同2号車(マッハフレーム)

【お店情報】
 店名/きんこん館
 住所/栃木県足利市通1-2710
 電話/0284-41-5703
 営業時間/10:00 ~ 20:00
 定休日/水曜日

【ライタープロフィール】
 植野 弘武

 イズミヤ映画部「部長」/まちを紹介し隊「隊員」
 映画/音楽/美術鑑賞、ミニ四駆、読書、園芸等、多様な趣味を持つ。
 美味い料理と、美酒が好き。
 無闇に豊富な知識で重箱の隅を突いて回っている。
 生まれてこの方、名前をちゃんと読まれたことがないのが悩み。
 座右の銘は「人は流れに乗ればいい。だから流れに乗ってみる」。

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